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木造住宅の最大の弱点とは:築20年を超えた住宅の半分がシロアリ被害に遭っている

はじめに

日本の多くの住宅は「木造」で建築されています。木でできた家には暖かみやデザインの自由度といった魅力があり、人間の住まいとして理想的です。しかし、木造住宅には避けられない弱点があります。それがシロアリです。

築20年を超える木造住宅の半数がシロアリ被害に遭っているという驚くべきデータがあります。特に近年は、アメリカ乾材シロアリの被害が増加しており、従来のシロアリ対策では対応しきれない状況も見られます。

本記事では、シロアリの特徴や被害の実態、そして効果的な対策方法について詳しく解説します。「マイホーム」を建てる際の参考にしてください。


目次

  1. 木造住宅が選ばれる理由とその魅力
  2. シロアリとは?種類と生態
  3. 築20年を超える住宅の危険性
  4. アメリカ乾材シロアリの脅威
  5. シロアリ被害の実態:修復は可能か?
  6. 効果的なシロアリ対策と予防法
  7. 木造住宅を守る:今できること

木造住宅が選ばれる理由とその魅力

木造住宅の良さ

木造住宅は、日本の伝統的な住宅スタイルであり、現代でも多くの人に選ばれています。その理由は以下の通りです:

  • 自然素材の魅力:ラットで鉄骨躯体と木造躯体で生存実験を行った結果驚くほどの差が出ています。
  • 快適な室内環境:木材が湿度を調整し、強度においては伐採してから100年かけて強度が増していきます。
  • 施工コストの柔軟性:柔軟な設計施工が可能で、ライフスタイルに合わせたプランニングが容易。

しかし、木造住宅には大きな弱点があります。それが「シロアリ被害」です。木造住宅を建てる際には、このリスクをしっかり理解しておくことがとても重要です。自分が被害に遭わないなんてことは間違いなくありません。


シロアリとは?種類と生態

日本のシロアリの主な種類

日本に生息する主なシロアリは以下の2種類です:

  1. ヤマトシロアリ:湿気の多い地域に生息し、床下や壁の内部を食害します。
  2. イエシロアリ:広範囲で大量の木材を破壊する強力なシロアリ。

アメリカ乾材シロアリとは?

近年、日本でも被害が拡大している「アメリカ乾材シロアリ」は、従来のシロアリとは異なり乾燥した木材でも生息可能です。この特徴が木造住宅に新たな脅威をもたらしています。建物の上部は乾燥しているため、従来のシロアリはあまり食べませんが、アメリカ乾材シロアリは乾燥した木材も好むため建物全体に被害を及ぼします。

シロアリ被害は、ヤマトシロアリ<イエシロアリ<アメリカカンザイシロアリの順で大きくなりやすく、アメリカカンザイシロアリの被害を受けると駆除は困難になります。

ヤマトシロアリやイエシロアリの場合、1軒に1つのコロニーしかないためコロニーのトップである王や女王アリさえ駆除できれば、ある程度の駆除は完了です。しかし、アメリカカンザイシロアリの場合、1つのコロニーからどんどん枝分かれし、気付くと1棟で30や40のコロニーができあがります。そのため、家中のコロニーを一斉に駆除しないと永遠にシロアリ被害が発生する家となってしまうのです。

シロアリ被害では家に問題がでるだけではなく、駆除で使用する強力な殺虫剤により住む人の健康面にも悪影響を及ぼします。


築20年を超える住宅の危険性

築20年を超える木造住宅の約半数がシロアリ被害を受けていると報告されています。その理由は以下の通りです

  • 古い防蟻処理:従来の薬剤の効果が薄れ、シロアリが侵入しやすくなる。5年ほどで一般的な方法は効果がなくなります。
  • 湿気の蓄積:換気方法の欠点による換気不足やメンテナンス不足により床下が湿気を帯び、シロアリが好む環境が形成される。
  • 見えない被害:シロアリは木材内部から食害を進めるため、発見が遅れることが多い。人間のようにレントゲンを撮ることができないため、被害がどこまで進行しているかが判断できない。

アメリカ乾材シロアリの脅威

アメリカ乾材シロアリは、以下の点で従来のシロアリよりも厄介です:

  • 乾燥環境に適応:湿気に依存しないため、床下だけでなく屋根裏や壁の中にも侵入。
  • 広範囲での被害:複数のコロニーを形成し、建物全体に被害を及ぼす可能性がある。
  • 発見が困難:外観上の変化が少なく、被害が進行して初めて気付くケースが多い。

「健康住宅」を維持するためには、アメリカ乾材シロアリへの具体的な対策が必要です。


シロアリ被害の実態:修復は可能か?

被害を受けた木材の特徴

シロアリに食害された木材は、以下のような状態になります

  • 内部が空洞化:外見は普通でも内部が崩壊している。人間の骨で言うと骨粗鬆症のような状態になる
  • 建物の構造に影響:耐震性が大幅に低下し弱い地震でも建物の倒壊の恐れが起こる。

修復の現実

一度シロアリの被害を受けた木材は、完全な修復が難しくなります。特に、構造材が侵されると耐震性能が大幅に低下し、高耐震住宅を建ててもシロアリの被害を受ければほぼ無意味になります。

「何千万」もかけて建てた「新築住宅」が数年で価値を失うリスクを考えると、事前のシロアリ対策がいかに重要かがお分かりいただけますよね。


効果的なシロアリ対策と予防法

建築時の対策

  • 防蟻処理:木材の材種ではなく効果的なシロアリ対策を行うことが大切。一般的な薬剤処理では効果が5年しかないためその後は無防備になります。半永久的な防蟻処理を行うことで、2度と再処理ができない壁の中や屋根の裏までしっかり守ることができます。ヒノキやヒバを使うことでシロアリ対策が不要と間違った判断をする住宅会社も多いことから近年のシロアリ被害が広がっています。材種でシロアリ対策をすることは効果が低いため、しっかりとした対策を行うことが必要です。
  • 換気システムの導入:木材を湿度から防ぐことが大切です。近年では基礎断熱が普及し床下も室内にすることで床下を湿度から防ぐことができます。基礎断熱で床下にも気流を起こす換気システムを採用することで常に乾燥状態を保つことができるためシロアリを防ぐことができます。

木造住宅を守る:今できること

シロアリ被害は早期発見と予防が鍵です。特に新築住宅を検討している方は、建築時に防蟻対策を徹底することで、長期間にわたる安心な暮らしを実現できます。シロアリ対策は建築当初でしかできないため大切な家族を守るためにも耐震性と合わせてしっかりと検討しましょう。


シロアリ被害を受けると家はどうなる?

シロアリ被害を受けると家の木材が食べられ、放置すれば床はぶかぶかしてきますし、主要構造材を空洞にしたりするので耐震性に問題のある家となり、地震などの震災で倒壊する原因になります。

実際に阪神淡路大震災で倒壊した家の多くは、シロアリや腐朽被害があったとの報告があります。

シロアリ被害 耐震性 家はどうなる?

(参考:日本建築学会近畿支部 1995年兵庫県南部地震:木造建物の被害)

結論:木造住宅の魅力を最大限に引き出すためには、間違いないシロアリ対策が不可欠です。自分は被害に遭わないだろうという感覚はとても危険です。しっかりと対策を講じて、安心で快適な暮らしを実現してください。

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