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蓄電池はお得ですよ!?その説明、本当に「お得」ですか?

「太陽光発電を設置するなら、蓄電池も一緒に付けた方がお得ですよ」

「昼間につくった電気を蓄電池に貯めれば、夜の電気代がほとんどかかりません」

「補助金もありますから、今がチャンスです」

住宅展示場や太陽光発電の訪問販売、蓄電池販売会社などで、このような説明を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

確かに、蓄電池そのものが悪い設備というわけではありません。

昼間に太陽光発電でつくった電気を蓄え、夜間に使用する。停電時には非常用電源として活用できる。電気をできるだけ自宅でつくり、自宅で使う。

これらは蓄電池の大きなメリットです。

しかし、家づくりにおいて本当に重要なのは、

「メリットがあるか」

だけではありません。

もっと重要なのは、

「そのメリットを得るために、いくら支払うのか」

ということです。

100万円を支払って50万円節約できたとしても、家計全体では50万円のマイナスです。

蓄電池を検討するときには、「電気代が安くなる」という言葉だけではなく、導入価格・実際に使える容量・電気料金・太陽光の発電量・売電価格・寿命・交換費用まで含めた生涯収支を見る必要があります。

今回は福井でこれからマイホーム を検討されている方に向けて、「蓄電池は本当にお得なのか?」という問題を住宅会社の視点から考えてみます。


蓄電池がお得という説明は間違っているのか?

結論から言えば「半分正解」です

蓄電池の説明でよく聞くのが、

「太陽光で発電した電気を昼間に貯めて、夜に使えば電気を買わなくて済みます」

というものです。

これは仕組みとしては間違っていません。

例えば昼間に太陽光発電で余った8kWhの電気を蓄電池に貯め、その電気を夜に使用できれば、その分だけ電力会社から購入する電力量を減らせます。

しかし、ここで忘れてはいけないものがあります。

蓄電池の購入費用です。

「電気を買わなかった金額」と「利益」は違う

仮に蓄電池によって年間7万円の電気代を削減できたとしましょう。

販売員から、

「年間7万円もお得になります」

と言われれば、とても魅力的に感じます。

しかし、その蓄電池を150万円で購入していたらどうでしょうか。

7万円×10年間=70万円。

単純計算では、10年間使用しても150万円の購入費用に対して70万円しか回収できません。

つまり「70万円得した」のではなく、

150万円支払った設備によって70万円を回収した

と考える必要があります。

ここを理解することが、蓄電池選びでは非常に重要なのです。


8kWhの蓄電池で具体的に計算してみよう

夜間電気料金を26円/kWhとして考えた場合

ここからは仕組みを分かりやすくするため、あえて非常に単純化したモデルケースで計算します。

蓄電池容量を8kWh、回避できる購入電力単価を26円/kWhと仮定します。

8kWh×26円=208円。

つまり、満充電した8kWhをすべて有効に使えたと仮定すると、単純計算では1日208円相当の買電を回避できます。

30日なら、

208円×30日=6,240円。

1年間では、

6,240円×12か月=74,880円

となります。

10年間では約75万円

さらに単純計算すると、

74,880円×10年間=748,800円

です。

これだけを見ると、

「10年間で約75万円も節約できる!」

と思うかもしれません。

しかし、ここで考えなければならないのが導入価格です。

仮に蓄電池の設備・工事費として150万円支払った場合、

150万円-約75万円=約75万円。

単純計算ではまだ初期費用を回収できていません。

実際の計算はもっと複雑

さらに現実には、毎日必ず8kWhを満充電できるとは限りません。

福井では特に冬季の日射量や積雪の影響も考える必要があります。

また、蓄電池には充放電ロスがありますし、カタログ容量のすべてを常に自由に使えるとは限りません。

反対に、今後購入電力単価が上昇すれば蓄電池による買電回避価値は高くなる可能性があります。

したがって先ほどの約75万円という数字は、あくまで仕組みを理解するための簡易試算です。

実際の判断では、家庭ごとの発電量と消費量を使ったシミュレーションが必要です。


さらに重要なのが「売電できたはずの電気」です

太陽光の電気は完全な0円ではない

蓄電池の経済性を計算するとき、もう一つ忘れられやすいものがあります。

それが売電の機会損失です。

太陽光で余った電気を蓄電池へ充電しなければ、その電気を売電できるケースがあります。

つまり、

「26円の電気を買わずに済んだから26円得した」

と単純には計算できません。

例えば売電できる電気を蓄電池へ入れて自家消費するのであれば、

買電回避額-失った売電収入

という考え方も必要になります。

2026年度の住宅用太陽光10kW未満では、国のFIT制度として最初の4年間24円/kWh、5~10年目8.3円/kWhという初期投資支援スキームが設定されています。

この条件では、特に最初の4年間について、

「売らずに蓄電池へ貯めた方が必ず圧倒的に得」

とは限りません。

ここが非常に重要です。


「夜の電気がタダ」は本当に正しいのか?

タダではなく設備代を先払いしている

蓄電池を導入すると、

「夜間は太陽光で貯めた電気を使うので0円です」

と説明されることがあります。

しかし家計全体で考えれば、完全な0円ではありません。

その電気を利用するために、

先に蓄電池という設備を購入しているからです。

例えば150万円の設備を購入して毎月6,000円の電気代を削減しているなら、その6,000円は最初の段階では「利益」というより、設備投資を回収している途中と考える方が合理的です。

太陽光発電でも考え方は同じ

これは太陽光発電にも共通します。

200万円の太陽光発電設備を設置して年間20万円の経済効果があったとしても、1年目から20万円の純利益が出たわけではありません。

最初の約10年間は、単純化すれば200万円の設備投資を回収している期間です。

だからこそ太陽光も蓄電池も、

「いくら節約できるか」だけではなく「いくらで導入できるか」

が極めて重要なのです。


蓄電池の寿命は「10年~13年程度」

サイクル数も確認する

ここについても注意が必要です。

蓄電池にはさまざまな種類があり、メーカー・電池材料・使用温度・充放電回数・充放電深度などによって劣化速度が異なります。

したがって検討時には、

保証年数だけでなく、

何サイクルを想定しているのか、一定期間後にどの程度の容量を保証しているのか

まで確認することが重要です。

交換まで考えて住宅計画をする

住宅は30年、40年、50年と使用します。

一方、蓄電池やパワーコンディショナーなどは住宅そのものとは寿命が異なる設備機器です。

だからこそ家づくり の資金計画では、

「新築時に設置できるか」

ではなく、

「将来交換することになった場合にも家計が成立するか」

まで考える必要があります。

これこそが本当のライフプランです。


ロジックホームが考える「設備より先にやるべきこと」

まず家そのものの消費エネルギーを減らす

私たちが注文住宅 で大切だと考えているのは、太陽光や蓄電池だけに頼る住宅ではありません。

まず住宅そのものの性能を高めることです。

断熱性能を高め、冷暖房に必要なエネルギーそのものを小さくする。

その上で太陽光発電によって電気をつくる。

さらに家族の生活スタイルや電気料金、売電条件、導入価格を確認し、必要であれば蓄電池を検討する。

この順番が重要です。

覚えておかなければいけないのは、将来的に性能も価格もどんどん良くなるということです。

今すぐに必要が無く、メリットが無いのであれば5年後の売電価格が下がるタイミングで導入しても遅くないのです。

「断熱→省エネ→創エネ→蓄エネ」

私たちが考えるこれからの住宅は、

断熱 → 省エネ → 創エネ → 蓄エネ

という順番です。

穴の空いたバケツに大量の水を入れても、水は漏れてしまいます。

住宅も同じです。

断熱性能が十分でない家 に高額な省エネ設備を大量に設置するより、まず建物そのものからエネルギーが逃げにくい状態をつくる。

その上で太陽光を活用する。

これがこれからの物価高や住宅ローン金利上昇に耐えられる高性能住宅を考えるうえで非常に重要です。


新築だからこそ「将来付けられる設計」も考える

今すぐ蓄電池を買わないという選択肢

蓄電池については、

「今すぐ設置する」

「絶対に設置しない」

という二択で考える必要もありません。

太陽光を十分に搭載し、将来的に蓄電池を追加できるよう、設置場所や配線計画などを新築時から検討しておく方法もあります。

建物内部にパワーコンディショナーを設置したり、内部の分電盤に連結した場合は、家屋内の工事が必要になり、施工時の価格も増加します。

将来的に蓄電池やV2Hを設置することを想定すると、外部に開閉器を設けてそこに将来工事ができるようにすることはプロの視点で重要な施工方法です。

技術や価格は将来変わる可能性があります。

だからこそ、住宅の基本性能や屋根、太陽光といった後から大きく変更しにくい部分を優先し、設備については家族にとって最適なタイミングを考える。

これも自由設計 の大きなメリットです。


蓄電池を契約する前に必ず確認してほしいこと

最後に、蓄電池を検討されている方には、販売会社へ最低限次の内容を確認することをおすすめします。

補助金を活用して蓄電池を設置した場合再度入替時にも補助金を利用できるのか

  • 蓄電池本体+工事費+諸費用を含めた総額はいくらなのか
  • カタログ容量ではなく実際に使用できる容量は何kWhなのか
  • 充放電ロスを含めたシミュレーションになっているか
  • 年間いくらの買電を削減できるのか
  • 蓄電することで減少する売電収入はいくらなのか
  • 補助金を使う場合、FIT・FIP・他制度との関係はどうなるのか売電できない分の損失はどう考えるか
  • 保証期間と容量保証はどうなっているのか
  • 交換時にはいくら程度必要なのか
  • 停電時にどこまで電気を使用できるのか、その方法は
  • 家全体に給電できるのか、一部の部屋だけなのか

この質問に回答してくれる会社なのか。

それとも、

「電気代が安くなります」

「補助金が出ます」

「災害時にも安心です」

という言葉だけなのか。

ここには非常に大きな違いがあります。


まとめ|「蓄電池がお得」ではなく「あなたの家でお得か」を考える

蓄電池は決して悪い設備ではありません。

むしろ今後、再生可能エネルギーの普及や電力需給の変化が進む中で重要性が高まっていく可能性のある設備です。国もDRに活用できる家庭用蓄電池の導入を支援しており、2026年度事業では最大60万円の補助枠が設けられました。

しかし、

「蓄電池=必ずお得」ではありません。

大切なのは、

いくらで導入して、年間いくら削減でき、何年使用でき、売電収入がどう変化し、最終的にいくら手元に残るのか。

ここまで計算することです。

数千万円という大きなお金を支払うマイホーム だからこそ、設備一つひとつについても「何となく良さそう」で決めてはいけません。

特に福井のような多雪地域 でこれから新築一戸建て を検討するのであれば、まず断熱性能を高めてエネルギーを使わない住宅をつくり、そのうえで太陽光によってエネルギーをつくり、必要に応じて蓄電池を検討する。

「設備を売るための家づくり」ではなく、「ご家族の生涯コストを下げるための家づくり」。

それがロジックホームが考える「価格も性能も妥協しない」住宅です。

蓄電池を検討するときは、ぜひ一度こう聞いてみてください。

「電気代が安くなる話ではなく、初期費用と売電機会損失まで含めた10年間・20年間の収支を見せてください」

その質問に明確な数字で答えられるかどうか。

それだけでも住宅会社や販売会社を見極める大きな判断材料になるはずです。

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